先日、弊社主催の少人数型対面講座を開催いたしました。
久しぶりに更新する今回のコラムでは、その講座の中でお伝えした内容から一部を抜粋してご紹介したいと思います。
テーマは 「変化」 です。
私たちは日常の中で、
「変わりたい」「変えたい」と思いながらも、
実際には同じ思考選択を繰り返していることが少なくありません。
では、変化とは一体どんなものなのでしょうか。
変化は「身につける」もの
変化は、知識として理解するだけで、本当に身につくのでしょうか。
多くの場合、答えは「いいえ」です。
頭でわかったつもりになっても、
行動や選択が変わらなければ、日常は何も変わりません。
そこで今回は、「変化は身につけるものだ」ということを、
頭ではなく体で実感してもらうための実践として、
参加者の皆さんにメガネを選んできていただきました。
その際にお願いしたのは、次の2つです。
- 普段の自分では選ばないデザインを選ぶこと
- 自分だけで決めず、人のアドバイスをもらうこと
さて、なぜ、あえてこのようなことをしてもらったでしょう?
理由はシンプルです。
変化は、「知る」ものではなく、「身につける」ものだからです。
私たちが「変わらない」最大の原因は、
無意識のうちに、いつも同じ基準で選び、同じ判断をしていることにあります。
メガネは、毎日身につけ、毎日目にするものです。
だからこそ、そこに現れる違和感や変化は、とても具体的で逃げ場がありません。
・「これは自分らしくない気がする」
・「でも、人から見ると案外悪くないらしい」
・「慣れてくると、少し見え方が変わってきた」
こうした感覚は、説明を聞いただけでは決して生まれません。
選択を変え、身につけ、生活の中で使ってみて初めて立ち上がる感覚です。
つまりこの実践は、
「変化を理解する」ためのものではなく、
変化を自分の身に纏うためのものなのです。
毎日自分で見る顔の変化は一番わかりやすく触れやすいですね。
変化は、ただ待っていれば起こるものではありません。
また、「変わらなければ」と無理に背負うものでもありません。
変化は、自ら行動を起こすもの。
変化は、体験を通して身につくもの。
変化は、自分自身にしか使えないものです。
頭で理解するだけでは、変化は起きません。
自分の「いつもの選択」をほんの少しだけ壊し、
行動してみることで、はじめて変化は「概念」から「自分のもの」になります。
そして、その変化をどう使うか、どう活かすかを決められるのは、
いつも自分自身だけです。
一方で、
その変化がどんな意味を持つかは、自分の中だけでは決まりません。
変化は、自分の中だけで完結するものではないのです。
身につけた変化は、選択や振る舞いとして自然と外ににじみ出ていきます。
そしてその先には、必ず相手(受け手)が存在します。
メガネも同じです。
それを「どう感じるか」は自分の問題ですが、
それが「どう見えるか」は、他者との関係の中で決まっていきます。
変化を身につけることは、自分を変えるためだけにあるのではありません。
その変化が、誰かの目にどう映り、
どんな影響を与えるのか。
そこではじめて、「変化」は、
自分の中の体験から、社会の中での価値へと変わっていきます。
人やモノの価値は、変化し続ける環境や、相手との関係の中で決まっていきます。
だからこそ、変化を語ることは、
価値を語ることでもあるのです。
ここでいう価値とは、変わらない性質のことではありません。
誰かとの関係の中で、その都度立ち上がる「意味」や「価値」のことです。
では、その価値はどこでどのように、決まるのでしょうか。
価値は、相互関係の中で決まる
たとえば、水を考えてみてください。
水はそれ自身で「自分には価値がある」と主張しているわけではありません。
けれど、必要とする人が現れた瞬間に、
生きるために欠かせないものとして意味を持ち、価値として認識されます。
人も同じです。
自分の中だけでどれほど意味づけをしても、
それが誰とも交わらなければ、価値として立ち上がることはありません。
誰かに必要とされたとき、
誰かの役に立ったときに、
はじめて価値が生まれ、それがその人の本質として認識されていきます。
だからこそ、変化を求められる場面は、単なる負荷や試練ではなく、
それは、自分の価値がこれまでとは違う関係性の中で立ち上がるチャンスでもあるのです。
変化と「運」の関係
「運がいい人」と言われる人がいます。
けれど、運は偶然降ってくるものではないと、私は思っています。
自分に起こる変化を受け入れ、
「やってみよう」と一歩踏み出す。
その選択の積み重ねが結果として後から「運がよかった」と呼ばれる出来事が生まれているだけなのかもしれません。
変化を身につけ、
価値が生まれる関係性の中に身を置く。
その積み重ねを、私たちは後になって「運」と呼んでいるのではないでしょうか。
Want to の力
その違いを分けるのが、変化との向き合い方です。
- 変化したい、やってみたい(Want to)
- 変化しなければならない(Have to)
同じ変化でも、この二つには大きな違いがあります。
「やってみたい」と思える人は、
変化そのものを楽しむことができます。
そして、
変化を楽しめる人ほど、結果として力を発揮していきます。
さいごに
自分の選択で失敗したとき、
「恥をかいて学ぶことができた」と思うか、
「恥をかかされた」と感じるか。
もし前者を選べるなら、
その人はすでに、失敗という変化を
自分のものとして受け取れているのだと思います。
変化を楽しめる人は、
これからも何度でも、成長していけるはずです。

